こんにちは。
前回は自立支援医療制度に関するお便りでした。
前回のお便りをご覧いただき、ご自身でも実際に調べてみたという方の中には、もしかしたら今回のお便りのキーワードを目にされた方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、自立支援医療制度と繋がりのある「精神障害者保健福祉手帳」についてまた少し書かせていただきます。
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患を抱えている方がその証明をできる手帳であり、様々な福祉サービスを受けるために利用することができます。
・自立支援医療制度と何が違うの?
大きく分けて違うポイントが3つあります。
① 自立支援医療制度は、申請までの期間の制限がありません。初診日は対象となりませんが、2回目以降の受診であれば主治医と相談(申請)が可能です。精神障害者保健福祉手帳の場合、初診日(診断を受けて)から6カ月以上経過の後に、証明する診断書の発行が可能となります。
※途中で転医をされている方は、一番始めに受診した病院またはクリニックの初診日(診断を受けた日)を期間に含めることが可能です。
② 精神障害者保健福祉手帳は、自立支援を目的としており、日常生活をスムーズなものにする狙いがあります。そのため、自治体にもよりますが、さまざまな優遇措置を受けることができます。
(例)公共料金等の割引
NHK受信料の減免
所得税や住民税、相続税等の控除
携帯キャリア3社(docomo・au・ソフトバンク)の割引
レジャー施設、美術館や動物園などの割引
※都道府県毎に受ける事ができるメリットが異なります。
詳しくは各自治体や各事業者の窓口へお問い合わせください。
③ 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は障害者雇用制度が利用できます。
障害者雇用で就労することができるのは、身体障害者手帳、療育手帳、そして精神障害者保健福祉手帳を持っている人と定められています。自立支援医療受給証では利用することができません。
ここでもうひとつ大切なポイントです。「自立支援医療制度」と「精神障害者保健福祉手帳」、どちらか片方だけを選ぶ必要があるわけではありません。
「精神障害者保健福祉手帳」の利用を希望される方は、「自立支援医療制度」とセットで申し込みが可能です。その際、診断書は1通で同時に申請することができます。ただ、ここで注意しなければならないのが、あくまで『同時』に申請をすれば診断書が1通で済みますが、例えば先に「自立支援医療制度」のみを申請されて、後々、「精神障害者保健福祉手帳」も申請をされる場合には、再度、診断書が必要となるだけでなく、更新の時期もバラバラとなり非常にわかりづらい状態となってしまう可能性があります。
◎診断書が2通必要となる例
令和4年11月1日 クリニックを初診
令和4年12月15日 自立支援医療制度を申請 ★診断書1通必要
※この時点では、初診から半年以上経過していない為、精神障害者保健福祉手帳の申請はできません。
令和5年6月20日 精神障害者保健福祉手帳を申請 ★診断書1通必要
◎診断書が1通でOKとなる例
令和4年11月1日 クリニックを初診
令和5年5月17日 自立支援医療制度+精神障害者保健福祉手帳を同時申請
仮に、申請当初に同時申請をされなかった場合でも、ご安心ください。のちのち、お手続きを別途行うことで、同じ期限に合わせることもできます。気になる方は、各区市町村の窓口でご相談されてみてください。
この記事が少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。