歯のメンテナンスのため、2〜3ヶ月に一度のペースで歯科医院に通っています。診てもらうと、気付かぬところに歯垢が溜まっていたり、歯肉に炎症が見つかったりと、歯科衛生士さんからご指摘をいただくことがしばしばあります。前もアドバイスをもらったのになぜできなかったのだろう…。また適当に歯磨きしてしまったと反省しながら、毎度勉強させてもらっています。幸い、虫歯はありませんでした。
原因をまとめると、歯ブラシを横に大きくスライドさせてしまう癖があること、歯並びの関係でどうしても磨きにくい部分があることでした。毎回アドバイスをいただいているのに、なぜか言われた通りに実践できていないのです。
待合室でふと考えたのは、歯磨き中に「歯を磨いている」という意識がどこかへ逸れてしまい、動作そのものが疎かになっているのではないか、ということです。思い返せば、歯磨きをしながら考え事をしたり、スクワットをしたり、スマホで動画を見てしまったり…。これでは十分に磨けるはずがありません。歯磨きを“ながら作業”にしてしまっていました。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する風潮もありますが、何ごとも行き過ぎると大切なことを見落としてしまうのかもしれませんね。
目を瞑り、「この歯を磨いているんだ」と一本一本に意識を向けてみると、雑念は浮かびながらも消え、だんだんと歯磨きに集中していきます。歯磨きを終えたら、口腔内の状態を目視で確認して終了です。ただ、性格的に長続きしそうにないので、タイマーを使い「5分は丁寧に磨く」と決めることにしました。
一日の終わりを丁寧な歯磨きで締めくくれたら、それだけで「今日ひとつ、やり遂げた」と自分を認めることができるかもしれません。小さな習慣ですが、心が整うきっかけになるのではないでしょうか。
気持ちがざわつくときこそ、決まったルーティンが助けになってくれます。歯磨きに限らず、当たり前の生活習慣を丁寧に行うことは、心を落ち着ける力になります。
次回、歯科衛生士さんに自信を持って歯を見せられるよう、この習慣を続けてみようと思います。みなさんも、一日の終わりを整える習慣を、自分なりに見つけられるとよいかもしれません。小さなことからで構いません。よかったら、一緒に頑張りましょう。
(もし歯磨きをする気力が湧かないほどおつらいときは、無理をなさらず休養が第一です。メンタルの治療を大切にしてください。)
